AutoCADに限らずCADソフトで行う尺度変更(縮尺の設定)というのは、1/250とか1/500というように、直接縮尺を入力して行うケースがほとんどです。
しかしこの方法だと、倍率を入力する際に0.00123・・・倍というような割り切れない倍率の場合、mm単位で狂ってしまうことがよくあります。
この記事では、上記のようなことがないように、既知点の座標点を利用することで寸分の狂いもなく縮尺を設定する方法を紹介します。
AutoCADの尺度変更で「参照(R)」機能を使って図面の縮尺を正確に合わせる方法
尺度変更をする前に、まずは線分の端点のひとつを分かっている既知点の一つに合わせます。
「修正」メニュー>「尺度変更」
オブジェクトを選択と表示されるので、尺度変更させたいオブジェクトを選択します。
次に、基点を指定と要求されるので、尺度変更の基点としたい点(ひとつめの既知点)を選択します。
尺度を指定と要求されますが、無視してコマンドライン(非表示の場合はF9で表示)の「参照(R)」をクリックして選択します。(Rと入力してEnterでも可)
続いて、参照する長さを指定と要求されるので、もう一度基点で指定した点と同じ点を選択します。
続いて、2点目を指定と要求されるので、尺度変更させたい線分の反対の端を選択します。
最後に、新しい長さを指定と要求されるので、2つ目の既知点を選択します。
以上の操作で、2つの既知点間の距離に合わせてオブジェクトの尺度が変更されます。
体系的にCADスキルを身につけるためには?
この記事では、AutoCADの使い方のひとつについて説明してきました。しかし、求めているCAD関係のテクニックやノウハウというのは、インターネットや専門書を探してもなかなか見つからないというのが現状です。
もっと体系的に最新のCADスキルを学ぶためには、通学制、通信制を問わずCAD講座を受講することがおすすめです。以下の記事では、おすすめのCAD講座の一覧を紹介しているので是非参考にしてください。
まとめ
以上で正確な尺度変更の操作は完了です。ここでは、座標点を用いて尺度変更を行いましたが、他にも例えば図面上の距離が分かっている場所を基準に尺度変更を行いたい場合などは、あらかじめその距離に合わせた線分を作成しておき、その線分の2つの端点を参照して尺度変更を行ったりすることも可能です。
また、尺度変更の選択対象についても、ここでは線分を用いて行いましたが、図面全体を選択対象にしても操作方法は全く一緒です。
実際に図面を用いて尺度変更をしているケースも別の記事で紹介しているので、より深く理解したいという方はそちらも参考にしてみてください。