
AutoCADで図形を合体させてひとつのオブジェクトを作成する場合、一般的な方法は合体させたい図形の輪郭をポリラインでなぞるという方法をとることが多いです。
しかしこの方法だと、
「図形の輪郭をすべてポリラインでなぞる必要があるので時間がかかる・・・」
「直線の連続だと簡単になぞることができるけど、円のような曲線だとポリラインでなぞることができない・・・」
というような問題が生じてしまいます。
この記事では、上記のような疑問を解決する形で、「境界作成」コマンドを利用することで一瞬で図形を合体させてポリラインを作成する方法を紹介していきます。
AutoCADで図形を合体させる一般的な方法|「ポリライン」コマンド
ここでは、以下のような三角形と四角形の2つのオブジェクトを合体させるケースを考えます。
まず、画面左上の「ポリライン」コマンドを選択します。
ポリライン作成画面に変わるので、以下のように2つの図形をなぞっていきます。
これで2つのオブジェクトが合体したポリラインが作成されます。
問題が生じるのは以下のような場合です。三角形と四角形に加えて円が加わっています。このような図形の集合だとポリラインで輪郭をなぞることができません。では、どうすればいいのでしょうか?
それを次で説明していきます。
AutoCADの境界作成コマンドを用いて一瞬で図形を合体させる方法
まず、「長方形」コマンドを使って図形全体を囲める大きさの長方形を作成します。
続いて、「境界作成」コマンドで境界を作成します。
「作成」メニュー>「境界作成」
以下のような境界作成ウィンドウが開くので、下記のように設定をしてください。
内側の点をクリックと要求されるので、下図の場所あたりをクリックして指定します。
すると下図の赤線のように内側と外側の境界部分それぞれにポリラインが作成されます。
ここでは、内側のポリラインのみが必要なので、それ以外のポリラインをすべて削除します。
すると、合体したオブジェクトの輪郭のポリラインのみが残ります。
まとめ
以上で「境界作成」コマンドを使用したオブジェクトの合体の方法についての説明は終了です。長方形を作成して境界作成をして、不必要な部分を消すという非常に単純な作業だけで多少複雑な図形でも簡単に合体できることが分かってもらえたと思います。
今回紹介した「境界作成」のようにAutoCADならではの便利な作図テクニックはいろいろとあります。慣れるまでは使いづらいかもしれませんが、慣れれば非常に便利に思える機能がたくさんあるので、ぜひいろいろと試してみてください。
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