

- 人物のような複雑なオブジェクトを切り抜きたいけど、なかなか綺麗に切り抜くことができない・・・
この記事では、上記のような疑問に応える形で、Photoshopで人物のような複雑なオブジェクトを綺麗に切り抜く方法を解説しています。
Photoshopで人物を綺麗に切り抜く方法
◆この記事で扱う画像
1.画像を背景レイヤーから通常レイヤーへ切り替える
画像をPhotoshopで開くと、画像が背景レイヤーとして開かれてしまうので、まず通常レイヤーに変換します。
2.「マグネット選択ツール」で人物の選択範囲を作成する
マグネット選択ツールを使って人物に沿ってマウスを動かしていき選択範囲を作成していきます。
マグネット選択ツールで人物オブジェクトの輪郭をなぞっていき、最後に始点をクリックすると以下のような選択範囲が作成されます。
続いて、選択範囲から不要な部分を削除していきます。
選択範囲から不要な部分を削除していくためには、まず、「現在の選択範囲から一部削除」モードに切り替えます。
次に、削除したい部分の選択範囲を作成していきます。ここでもマグネット選択ツールを使います。
削除範囲の作成が終わると以下のように不要な部分が選択範囲から削除されます。
3.マスクモードに切り替え選択範囲を微調整していく
まず、「選択とマスク…」をクリックしてマスクモードに切り替えます。
マスクモードでは、以下のように属性パネルから表示モードを「オーバーレイ」に設定しておくと、見やすく編集がしやすいです。
続いて、クイック選択ツールを使って、「選択範囲の追加・削除モード」と「ブラシサイズ」を調整して、選択範囲を微調整していきます。
画像を拡大して、適宜、選択範囲の追加と削除を行い調整していきます。
髪の毛部分の選択範囲を微調整する場合は、さらにブラシサイズを小さくして修正していきます。
選択範囲の微調整が終われば、属性パネルの「OK」をクリックしてマスクモードを終了します。
以上で選択範囲の作成は完了です。
4.選択範囲から人物を切り抜く2つの方法|「レイヤーマスク」と「背景の削除」
「レイヤーマスク」で人物を切り抜く
レイヤーマスクで切り抜く場合は、以下のように「レイヤーマスクを追加」ボタンをクリックします。
レイヤーマスク機能を使って画像を切り抜く場合は、元画像に対してマスクをかけている状態になるため、オブジェクトの背景を削除するケースと違って、元画像のデータはそのまま残ります。つまり、レイヤーマスクを使う場合は、画像に復元性があり、後から切り抜く範囲を変更することできます。
以上で、人物の切り抜きは完了ですが、最後に、属性パネルで「ぼかし」値を変更して、境界をぼかすことでより滑らかに人物を切り抜くことができます。ここでは、4.0pxに変更しています。
以上で、レイヤーマスクを使った切り抜きは完了です。
「背景の削除」で人物を切り抜く
背景の削除で人物を切り抜く場合は、まず、「選択範囲を反転」をクリックして選択範囲を反転させます。
クイックマスクモードをクリックして、一度選択範囲を確認しておきます。
人物オブジェクトの境界が少しかたいことが分かります。
レイヤーマスクのケースと同様に、境界をぼかして滑らかな境界にしていきます。
「選択範囲」メニュー>「選択範囲を変更」>「境界をぼかす」
「境界をぼかす」ダイアログが開くので、「ぼかしの半径」を入力します。ここでは、5pixelと入力しています。
クイックマスクモードでもう一度確認すると、境界部分が少しぼやけて滑らかになっているのが分かります。
クイックマスクモードを解除し、「Delete」キーをクリックすると背景が削除されます。
以上で、背景の削除(「Delete」キー)を使った切り抜きは完了です。
5.切り抜いた人物オブジェクトを透過イメージとして保存する
「ファイル」メニュー>「書き出し」>「Web用に保存」
「Web用に保存」ダイアログが開くので、書き出し形式を「PNG-24」に設定します。
※「Jpeg」形式のデータだと透明部分の情報を保存することができないため、透明部分の情報を保存することができる「PNG-24」形式で書き出しを行う必要があります。
最後に、「保存」をクリックして保存先を指定すると、人物の切り抜きは完了です。
Photoshopで人物を綺麗に切り抜く時にダメな選択範囲の作成方法
一般的に、オブジェクトと背景の間にくっきりメリハリがあるような画像の場合には、「自動選択ツール」は非常に有用な範囲選択の方法となります。
しかし、この記事で扱うような背景と切り抜きたいオブジェクトがくっきりと分かれていない画像の場合は、自動選択ツールで選択範囲を作成することはとても困難です。
人物を自動選択ツールで選択しようとして失敗したケース
「自動選択ツール」を使って、オブジェクト内部をクリックしていきます。髪の毛部分は以下のようにきれいに選択できました。
続いて顔の部分を選択していきます。
すると、以下のように必要のない部分まで選択されてしまい、正しく選択範囲を作成することができません。これは、顔の肌の色と背景色の色域が近いため、Photoshopで人物を上手く検出できなかったことが原因です。
このように、複雑な画像の切り抜きを行う場合は、「自動選択ツール」ではなく上記で使っていた「マグネット選択ツール」などを使って選択範囲を作成することがおすすめですね。
体系的にPhotoshopスキルを身につけたいなら
この記事では、Photoshopの使い方について説明してきました。この記事のように、今の時代、インターネットや専門書を探せば様々なテクニックやノウハウを見つけることができます。しかし、体系的に確かなスキルを身につけるという点で考えるとインターネットや書籍の情報だけでは難しいのが現実です。
もっと体系的に最新のPhotoshopのスキルを学ぶためには、通学制、通信制を問わずPhotoshopなどデザインについての講座を受講することがおすすめです。以下の記事では、おすすめのPhotoshopが学べるWebデザイン講座の一覧を紹介しているので是非参考にしてください。
まとめ
この記事では、Photoshopで人物のような複雑なオブジェクトを綺麗に切り抜く方法を解説してきましたがいかがだったでしょうか?
複雑なオブジェクトの切り抜きを行う方法は、この記事で紹介した選択範囲から行う方法以外にも、パスを使って切り抜きを行う方法などがあります。ぜひいろいろな方法を試してしっくりくる方法を見つけてください。
また、Photoshopについてもっと深く学びたい場合は以下のような講座がおすすめです。
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