- PCのモニター性能を見るとIPSとかTN、FHDや4Kといった種類があるけどそれぞれ何が違うのかわからない。
- アスペクト比やリフレッシュレートなどのモニター性能を示す数字が何を表しているか分からない。
- 用途や目的に応じたおすすめのモニター性能やおすすめの外付けディスプレイが知りたい。
この記事では、上記のような疑問に答える形で、PCモニターや外付けディスプレイの性能の見方について詳しく解説をしています。
また、目的としている用途とどんな性能のモニター・ディスプレイが相性が良いのかについても説明しているのでぜひ参考にしてみてください。
ディスプレイの基礎知識
ディスプレイの性能は、解像度(ピクセル)やアスペクト比、サイズ、リフレッシュレートなどの数値によって決まります。
- 解像度(ピクセル)
- サイズ
- アスペクト比(形状)
- リフレッシュレート
- 液晶パネルの種類
- 画面の仕様
ひとつずつみていきましょう。
解像度
パソコンのディスプレイは、画素(ピクセル)と呼ばれる小さな点を縦横に配置することで映像を表現しています。つまり、ピクセルの数が多ければ多いほど、鮮明で精細な映像表現が可能になります。このピクセルがディスプレイ上にどれだけ並んでいるかを表す指標が「解像度」です。例えば、ピクセルが横に1280個、縦に720個並んでいる場合は、「1280×720」と表示されます。ちなみに、PCでよく採用されている解像度は「FHD:1920×1080」です。
- SD:640×480
- WXGA++:600×900
- HD:1280×720
- フルHD(FHD):1920×1080
- WQHD:2560×1440
- WQXGA:2560×1600
- 4K:3840×2160
アスペクト比
アスペクト比とは、画面の縦と横の長さの比のことで、このアスペクト比に応じて、ディスプレイ画面の形状はスクエア、ワイド、ウルトラワイドに分類されます。長辺対短辺の形で表示されるのが一般的です。
スクエア
アスペクト比が5対4のディスプレイです。縦方向に広い点が特徴です。
相性の良い用途:Wordなどの文書作成ソフト
ワイド
ワイドミニターとは、アスペクト比が16対9または16対10のディスプレイです。現在ノートパソコンのモニター等で最も人気のある形です。
相性の良い用途:なんでも(表計算、デザイン、動画編集など)
ウルトラワイド
ワイドよりさらに横長で、アスペクト比が21対9のディスプレイです。
相性の良い用途:マルチウィンドウ、投資チャート
サイズ
ディスプレイモニターの縦と横の大きさは、「インチ」と「アスペクト比」で決まります。
例えば、アスペクト比16:9の24インチモニターを探している場合は、ディスプレイの縦と横の大きさは以下のようになります。
また、13インチのモバイルノートパソコンでアスペクト比が16:10のワードモニターであれば、以下のような大きさになります。
リフレッシュレート
リフレッシュレートとは、1秒間にディスプレイの画面が何回書き換わったのかを表す回数になります。 リフレッシュレートの回数は「 」単位で表され、1秒間にディスプレイの画面が100回書き換わった場合は「100Hz」となります。この数字が大きければ多いほど映像が精細で滑らかに再現され、一般的なパソコンの場合は60Hz(ヘルツ)程度が平均的です。ゲーミングの世界では144Hzや165Hz、240Hzといった高リフレッシュレートのディスプレイが採用されています。
液晶パネルの種類
パソコン向けの液晶パネル(TFT液晶)には、TN方式、VA方式、IPS方式があります。
TN方式
TN方式は、ねじれネマティック液晶とも呼ばれ、電圧をかけることによって生じる分子のねじれを利用して、光の通過と遮断をコントロールしています。
メリット:安価、低消費電力
デメリット:視野角が狭い(テレビなどには不向き)
よく使われている用途:スマートフォン、パソコンの液晶
VA方式
VA方式は、電圧をかけることで生じる分子を垂直または水平にすることで光の通り道をコントロールする方式です。
電圧をOFFにすると光を完全に遮断することができるため、純粋な黒の表現が可能で、TN方式に比べて高いコントラストを実現することが可能です。
メリット:高コントラスト
デメリット:視野角が狭い
よく使われている用途:大衆向けテレビ、高品質ディスプレイ
IPS方式
IPS方式は、分子を回転させることで光の量をコントロールする方式です。視野角が広く色の変化も少ない点が特徴です。
メリット:視野角が広い、発色がきれい
デメリット:応答速度が低い
よく使われている用途:高級テレビ
画面の仕様
画面の仕様には、グレア(光沢)とノングレア(非光沢)の2種類があります。
グレア(光沢)
高コントラストかつ鮮明な表現が可能で、特に静止画が綺麗に表現できることが特徴です。
一方で、目が疲れやすいという点がデメリットとしてあげられます。
ノングレア(非光沢)
グレア(光沢)に比べると、地味な映像表現になりますが、目が疲れにくく、また、ディスプレイ画面が傷つきづらいというメリットがあります。
使用目的・用途別のおすすめディスプレイ性能
PCのディスプレイは、ゲーム目的や動画鑑賞、デザイン作業や3DCG製作など、自分がPCをどのような目的で使いたいかによって、どのディスプレイを選ぶべきかが変わってきます。ここでは、目的や用途に応じてどのような性能のディスプレイを選ぶべきなのかを紹介します。
TN液晶(ワイド):最も普及しているコストパフォーマンスの高いディスプレイモニター。応答速度が速い点も特徴。
推奨用途:事務作業(Microsoft office)、テレワーク(Zoom、Chatworks)、デザイン作業(Photoshop、Illustrator)、動画編集(Premire Pro)、設計業務(CAD)、ゲーミング、株式チャート
※ゲーミング目的であればTN液晶の144Hzや165Hz、240Hzといった高リフレッシュレートのモデルがおすすめ。
VA液晶(ワイド):TN液晶より応答速度は遅いが、映像が綺麗な点が特徴。
推奨用途:動画鑑賞、事務作業(Microsoft office)、テレワーク(Zoom、Chatworks)、デザイン作業(Photoshop、Illustrator)、動画編集(Premire Pro)、設計業務(CAD)
IPS液晶(ワイド):映像美に優れた万能タイプのディスプレイモニター。少し高価な点がデメリット。
推奨用途:動画鑑賞、3DCG制作、4K動画編集、映像重視のゲーム
参考:接続端子を理解しよう
ノートパソコンの外付けディスプレイやデスクトップパソコンのPCモニターを接続するときに注意が必要な点は、どの接続端子を使うかという点です。
下の写真を見ても分かるようにパソコンには様々なディスプレイ用の接続端子がついています。
では、それぞれの接続端子にはどのような違いがあるのでしょうか?簡単に解説します。
VGA
現在搭載されている接続端子の中ではもっとも古くから存在する規格。
音声出力に対応しておらず、転送した映像の劣化もあるため、近年では採用されることが少なくなってきている点が特徴です。
DVI
デジタルデータのまま画像を転送できるため映像の劣化が少ないですが、VGA同様に音声出力に対応していない点が特徴です。そのため、VGA同様に採用される機会が減ってきています。
HDMI
現在最も主流な接続規格で、、1本のケーブルで映像と音声の両方を転送できることが特徴です。4Kや8K映像の出力などにも対応し、高画質で高音質な映像を堪能することも可能です。
派生形として、ミニHDMIやマイクロHDMIといった端子も存在します。
DisplayPort
現在発売されている接続規格の中では最も高性能で、1本のケーブルで映像と音声に加え制御信号までを転送できることが特徴です。ゲーミング目的で144Hz165Hzといった高リフレッシュレートの映像転送を行いたいような場合は、この規格が必須です。
まとめ
この記事では、ディスプレイモニターについてその基礎知識から、用途別のおすすめディスプレイ性能の紹介、接続端子についての解説までを行ってきましたがいかがだったでしょうか?
ディスプレイ以外のPCパーツについて知りたいという方は、別の記事で紹介しているのでそちらを参考にしてください。
また、用途別のおすすめパソコンが知りたい方は以下を参考にしてください。
Q&A(用語解説)